エルドラージの話
2015年11月11日 Magic The Gathering コメント (3)
エルドラージデッキの完成系を求めて、様々なアーキタイプを試してみた。
まず赤緑の純正エルドラージランプから始めた。
【赤緑エルドラージランプ】
4 《爪鳴らしの神秘家》
4 《搭載歩行機械》
3 《龍王アタルカ》
4 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
4 《森の占術》
4 《ニッサの巡礼》
4 《爆発的植生》
2 《面晶体の記録庫》
4 《精霊龍、ウギン》
2 《ニッサの復興》
13 《森》
1 《山》
3 《ウギンの聖域》
4 《見捨てられた神々の神殿》
4 《荒廃した森林》
これはハッキリ言って弱かった。
まず、ブン回りパターンでないとアブザンアグロに間に合わない。
ダークジェスカイに対しても、サイド後はカウンターが増量されるので意外と負けパターンが多い。今後のメタゲームではメインの「払拭」が「否認」などになる可能性もあるため、メインも有利とは言えないかもしれない。
最も絶望的であると感じたのが、4色ラリーだった。キルターンが早く、アタルカではハスクに対処できず、搭載歩行機械はバウンスされるので役に立たない。唯一の勝ちパターンが、最速ウラモグから相手の白マナを2つ壊してラリーを防げる場合だけだった。
このデッキの勝ちパターンは、「マナクリーチャー→爆発的植生→ウギン」の流れなので、中途半端な組み方をするくらいなら、マナクリーチャーを8枚以上搭載するのがおそらく正解だろう。
しかし、この手のデッキは安定感に問題があるため、長丁場のラウンドを勝ち上がれるとは思えない。
ましてや、ブン回りしなければ勝てない相手が多いとなると、このまま大会に持ち込むのは自殺行為であると感じた。
一方、ブン回りパターンでなくとも勝てるように調整したのが「白緑エルドラージランプ」だった。
【緑白エルドラージランプ】
4 《搭載歩行機械》
4 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
4 《荒野の確保》
4 《自然の繋がり》
2 《停滞の罠》
1 《隔離の場》
3 《次元の激高》
4 《爆発的植生》
4 《精霊龍、ウギン》
4 《森の占術》
4 《見捨てられた神々の神殿》
1 《ウギンの聖域》
3 《荒廃した森林》
2 《吹きさらしの荒野》
4 《梢の眺望》
8 《森》
4 《平地》
「次元の激高」や「荒野の確保」を入れることで低速化を狙ったが、デッキの安定性そのものはあまり改善されなかった。
そればかりか、白のダブルシンボルが余計にリスクとなった。
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緑系エルドラージランプは、序盤にほしいカードと、中盤にほしいカード、終盤にほしいカードのそれぞれが入っており、それらをタイミングよく引かなければうまく回らないデッキだ。
エルドラージランプを安定させるには、「マナ加速→マナ加速→ビッグスペル」というデッキの構造そのものに無理があると考えた。
マナ加速が不適切であるとするならば、ゲームスピードそのものを低速化させるしかない。
つまり、ひたすら相手の攻撃をかわしながら、7ターン目のウギンまで耐えるという戦略だ。
しかし、除去やカウンターなどの妨害をしながら、最低でも7枚の土地をセットし続けるとなると、さすがに手札の枚数が足りない。
妨害とドローを同時に行わなければ、ウギンのマナ域まで届かないだろう。
そこで試しに作成したのが、「青単エルドラージ」だ。
【青単エルドラージ】
4:《搭載歩行機械》
1:《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
4:《意思の激突》
2:《分散》
4:《工匠の天啓》
4:《水撃》
3:《目潰しのしぶき》
4:《水の帳の分離》
4:《錬金術師の薬瓶》
4:《精霊龍、ウギン》
12:《島/Island》
3:《魔道士輪の魔力網》
3:《ウギンの聖域》
4:《天空の滝》
4:《見捨てられた神々の神殿》
基本的には「水撃」や「錬金術師の薬瓶」で相手の攻撃をかわしつつ、ウギンまでつなげるコンセプトだ。
「水の帳の分離」は、ウギンの手前のアクションとしては最高で、フリースペルの「探検/Explore」のような動きをしてくれる。覚醒6のおかげでコントロールデッキに対しても強く、まさにこのデッキのマスターピースともいえるカードだ。
また、青単ならではの土地「天空の滝」は、アブザンアグロなどの中速ビートダウンに対していぶし銀の活躍をする。
見た目は弱そうだが、回してみると意外に強く、緑系エルドラージランプに比べてかなり好感触だった。
普通に回れば、アブザンアグロをはじめとする中速ビートダウンには勝てる構成になっている。
ダークジェスカイにも基本的には有利で、「魔道士輪の魔力網」が真価を発揮する。
赤緑エルドラージランプにはやや不利だと考えているが、相手のマナ加速をカウンターしつつ、「水の帳の分離」で先にウラモグまで到達するという勝ちパターンがある。サイドからカウンターを増量すれば、マッチを通して不利な相手ではないかもしれない。
ラリー系は未知数だが、「分散」を警戒させることでハスクを使いにくくさせ、キルターンはある程度遅らせることが出来る。少なくとも、赤緑エルドラージで挑むよりは勝つ可能性が高いだろう。
安定性や、デッキの強さそのものは、緑系エルドラージよりもかなり改善されたように思えた。
しかし、トーナメントレベルのデッキとしては、まだまだ安定性が足りない。
毎ターンキャントリップしたところで、やはり土地を並べていくと手札がカツカツになってしまうので、マリガンや、ウギンの2枚引きなどをしてしまったときに手数が足りなくなってしまうことが多かった。
得意な相手にはマリガンしても勝てるデッキでなければ、トーナメントレベルとは言えない。
また、「搭載歩行機械」がメタゲーム的にあまりにも弱かった。これは緑系を調整していたときから感じていたが、たいていのデッキには対処方法があり、序盤から終盤にかけて全く脅威にならなかった。
さらに、青単エルドラージは、カウンターや「搭載歩行機械」のような「キャントリップがついていないカード」を引けば引くほど、手札がカツカツになっていくので、軽いキャントリップ呪文をさらに増やしたいとも考えた。
次に作ったのはこのデッキだ。
【バンドエルドラージ】
4:《エルフの幻想家》
1:《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
4:《意思の激突》
4:《荒野の確保》
3:《分散》
4:《水撃》
2:《時を越えた探索》
4:《水の帳の分離》
4:《錬金術師の薬瓶》
4:《精霊龍、ウギン》
6:《島》
2:《森》
4:《吹きさらしの荒野》
4:《溢れかえる岸辺》
4:《見捨てられた神々の神殿》
1:《大草原の川》
2:《伐採地の滝》
2:《ウギンの聖域》
1:《梢の眺望》
これは今まさに調整中のデッキだが、今のところ感触はかなり良い。
「エルフの幻想家」はこのデッキにぴったりのカードで、キャントリップ呪文が多くなった分、マリガン後でも土地をセットし続けるには十分なアドバンテージを得られるようになった。
「荒野の確保」は現環境において「搭載歩行機械」よりも優れている。アブザンアグロに対しても、ウギンまでの時間をかせぐ「つなぎ」のスペルとして活躍してくれる。コントロールデッキへの強さは今さら言うまでもない。
また、ウギンに依存したデッキであるため、「時を越えた探索」が優れたサーチカードとして働いてくれる。
意外と大きいのが、サイドボードの選択肢が増えたことだ。これは、「単純に色が増えた」ということもあるが、それ以上に「メインからビートダウンにしか強くないパーツが減ったこと」だ。このことはサイドボード戦略に多様性をもたらしてくれるので、非常に大きなメリットであると考えている。
「爆発的植生」を投入するかどうかは悩みどころだが、基本地形の少なさや、テンポの悪さを考慮して、現状は採用していない。
「森の占術」についても、やはりテンポの悪さがこのデッキの戦略に合っていない。「見捨てられた神々の神殿 」は引けないかもしれないが、このスロットにもう1ターン延命できるカードを入れた方がデッキコンセプトに合っている。
ただ、「荒野の確保」4枚は多すぎるように思うし、「水の帳の分離」4枚もマリガン率を高める要因になる。これらを何に入れ替えるかは検討課題だろう。
まず赤緑の純正エルドラージランプから始めた。
【赤緑エルドラージランプ】
4 《爪鳴らしの神秘家》
4 《搭載歩行機械》
3 《龍王アタルカ》
4 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
4 《森の占術》
4 《ニッサの巡礼》
4 《爆発的植生》
2 《面晶体の記録庫》
4 《精霊龍、ウギン》
2 《ニッサの復興》
13 《森》
1 《山》
3 《ウギンの聖域》
4 《見捨てられた神々の神殿》
4 《荒廃した森林》
これはハッキリ言って弱かった。
まず、ブン回りパターンでないとアブザンアグロに間に合わない。
ダークジェスカイに対しても、サイド後はカウンターが増量されるので意外と負けパターンが多い。今後のメタゲームではメインの「払拭」が「否認」などになる可能性もあるため、メインも有利とは言えないかもしれない。
最も絶望的であると感じたのが、4色ラリーだった。キルターンが早く、アタルカではハスクに対処できず、搭載歩行機械はバウンスされるので役に立たない。唯一の勝ちパターンが、最速ウラモグから相手の白マナを2つ壊してラリーを防げる場合だけだった。
このデッキの勝ちパターンは、「マナクリーチャー→爆発的植生→ウギン」の流れなので、中途半端な組み方をするくらいなら、マナクリーチャーを8枚以上搭載するのがおそらく正解だろう。
しかし、この手のデッキは安定感に問題があるため、長丁場のラウンドを勝ち上がれるとは思えない。
ましてや、ブン回りしなければ勝てない相手が多いとなると、このまま大会に持ち込むのは自殺行為であると感じた。
一方、ブン回りパターンでなくとも勝てるように調整したのが「白緑エルドラージランプ」だった。
【緑白エルドラージランプ】
4 《搭載歩行機械》
4 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
4 《荒野の確保》
4 《自然の繋がり》
2 《停滞の罠》
1 《隔離の場》
3 《次元の激高》
4 《爆発的植生》
4 《精霊龍、ウギン》
4 《森の占術》
4 《見捨てられた神々の神殿》
1 《ウギンの聖域》
3 《荒廃した森林》
2 《吹きさらしの荒野》
4 《梢の眺望》
8 《森》
4 《平地》
「次元の激高」や「荒野の確保」を入れることで低速化を狙ったが、デッキの安定性そのものはあまり改善されなかった。
そればかりか、白のダブルシンボルが余計にリスクとなった。
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緑系エルドラージランプは、序盤にほしいカードと、中盤にほしいカード、終盤にほしいカードのそれぞれが入っており、それらをタイミングよく引かなければうまく回らないデッキだ。
エルドラージランプを安定させるには、「マナ加速→マナ加速→ビッグスペル」というデッキの構造そのものに無理があると考えた。
マナ加速が不適切であるとするならば、ゲームスピードそのものを低速化させるしかない。
つまり、ひたすら相手の攻撃をかわしながら、7ターン目のウギンまで耐えるという戦略だ。
しかし、除去やカウンターなどの妨害をしながら、最低でも7枚の土地をセットし続けるとなると、さすがに手札の枚数が足りない。
妨害とドローを同時に行わなければ、ウギンのマナ域まで届かないだろう。
そこで試しに作成したのが、「青単エルドラージ」だ。
【青単エルドラージ】
4:《搭載歩行機械》
1:《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
4:《意思の激突》
2:《分散》
4:《工匠の天啓》
4:《水撃》
3:《目潰しのしぶき》
4:《水の帳の分離》
4:《錬金術師の薬瓶》
4:《精霊龍、ウギン》
12:《島/Island》
3:《魔道士輪の魔力網》
3:《ウギンの聖域》
4:《天空の滝》
4:《見捨てられた神々の神殿》
基本的には「水撃」や「錬金術師の薬瓶」で相手の攻撃をかわしつつ、ウギンまでつなげるコンセプトだ。
「水の帳の分離」は、ウギンの手前のアクションとしては最高で、フリースペルの「探検/Explore」のような動きをしてくれる。覚醒6のおかげでコントロールデッキに対しても強く、まさにこのデッキのマスターピースともいえるカードだ。
また、青単ならではの土地「天空の滝」は、アブザンアグロなどの中速ビートダウンに対していぶし銀の活躍をする。
見た目は弱そうだが、回してみると意外に強く、緑系エルドラージランプに比べてかなり好感触だった。
普通に回れば、アブザンアグロをはじめとする中速ビートダウンには勝てる構成になっている。
ダークジェスカイにも基本的には有利で、「魔道士輪の魔力網」が真価を発揮する。
赤緑エルドラージランプにはやや不利だと考えているが、相手のマナ加速をカウンターしつつ、「水の帳の分離」で先にウラモグまで到達するという勝ちパターンがある。サイドからカウンターを増量すれば、マッチを通して不利な相手ではないかもしれない。
ラリー系は未知数だが、「分散」を警戒させることでハスクを使いにくくさせ、キルターンはある程度遅らせることが出来る。少なくとも、赤緑エルドラージで挑むよりは勝つ可能性が高いだろう。
安定性や、デッキの強さそのものは、緑系エルドラージよりもかなり改善されたように思えた。
しかし、トーナメントレベルのデッキとしては、まだまだ安定性が足りない。
毎ターンキャントリップしたところで、やはり土地を並べていくと手札がカツカツになってしまうので、マリガンや、ウギンの2枚引きなどをしてしまったときに手数が足りなくなってしまうことが多かった。
得意な相手にはマリガンしても勝てるデッキでなければ、トーナメントレベルとは言えない。
また、「搭載歩行機械」がメタゲーム的にあまりにも弱かった。これは緑系を調整していたときから感じていたが、たいていのデッキには対処方法があり、序盤から終盤にかけて全く脅威にならなかった。
さらに、青単エルドラージは、カウンターや「搭載歩行機械」のような「キャントリップがついていないカード」を引けば引くほど、手札がカツカツになっていくので、軽いキャントリップ呪文をさらに増やしたいとも考えた。
次に作ったのはこのデッキだ。
【バンドエルドラージ】
4:《エルフの幻想家》
1:《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
4:《意思の激突》
4:《荒野の確保》
3:《分散》
4:《水撃》
2:《時を越えた探索》
4:《水の帳の分離》
4:《錬金術師の薬瓶》
4:《精霊龍、ウギン》
6:《島》
2:《森》
4:《吹きさらしの荒野》
4:《溢れかえる岸辺》
4:《見捨てられた神々の神殿》
1:《大草原の川》
2:《伐採地の滝》
2:《ウギンの聖域》
1:《梢の眺望》
これは今まさに調整中のデッキだが、今のところ感触はかなり良い。
「エルフの幻想家」はこのデッキにぴったりのカードで、キャントリップ呪文が多くなった分、マリガン後でも土地をセットし続けるには十分なアドバンテージを得られるようになった。
「荒野の確保」は現環境において「搭載歩行機械」よりも優れている。アブザンアグロに対しても、ウギンまでの時間をかせぐ「つなぎ」のスペルとして活躍してくれる。コントロールデッキへの強さは今さら言うまでもない。
また、ウギンに依存したデッキであるため、「時を越えた探索」が優れたサーチカードとして働いてくれる。
意外と大きいのが、サイドボードの選択肢が増えたことだ。これは、「単純に色が増えた」ということもあるが、それ以上に「メインからビートダウンにしか強くないパーツが減ったこと」だ。このことはサイドボード戦略に多様性をもたらしてくれるので、非常に大きなメリットであると考えている。
「爆発的植生」を投入するかどうかは悩みどころだが、基本地形の少なさや、テンポの悪さを考慮して、現状は採用していない。
「森の占術」についても、やはりテンポの悪さがこのデッキの戦略に合っていない。「見捨てられた神々の神殿 」は引けないかもしれないが、このスロットにもう1ターン延命できるカードを入れた方がデッキコンセプトに合っている。
ただ、「荒野の確保」4枚は多すぎるように思うし、「水の帳の分離」4枚もマリガン率を高める要因になる。これらを何に入れ替えるかは検討課題だろう。
コメント
まだまだ発展途上なところがいい。