マジック回顧録 その6
2020年5月30日 Magic: The Gathering コメント (2)
当時は、DCIポイントによる「レーティング制」がまだ存在していた。
公認試合での対戦成績をもとに、プレイヤーごとの「持ち点(DCIポイント)」が増減する仕組みだ。
さらに、各都道府県ごとに「DCIポイントのランキング」を誰でも見ることが出来た。
当時の石川県ランキング1位は、松尾 悟郎(まつお ごろう)氏。
2001年の「日本選手権チャンピオン」だ。
http://mtgwiki.com/wiki/%E6%9D%BE%E5%B0%BE%E6%82%9F%E9%83%8E
まぎれもなく北陸の歴代最強プレイヤーだが、彼はすでに引退しており、再びトーナメントシーンに現れることは無かった。
つまり、DCIランキングの2位以下が、現役の石川県プレイヤーの格付けであった。
佐藤 大(さとう だい)は、石川県「DCIランキング3位」の強者だ。
もちろん、常に「ランキング = 実力」となるわけではないが、佐藤氏のプレイスキルはそのレーティングに見合ったものであった。
当時の全国ランキングでは40位であったため、その年の日本選手権の招待枠(全国75位以内)をすでに獲得していた。
ちなみに、すでにレーティング招待枠の安全圏にいるプレイヤーは、DCIポイントを減らさないために公認大会には出場しないケースが多かったのだが、この極楽鳥本部大会は「非公認大会」として開催されていたため、招待枠保持者でも参加しやすかった。
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「極楽鳥本部大会」のスタンダード本戦では、日本選手権予選でも使用した「電結親和」で挑んだが、結果は3-2であった。
最終戦では、「日本選手権 北陸予選」の時期には存在しなかったアーキタイプ、「エルフ&ネイル」に敗北を喫した。
オンスロートブロックの「エルフ」と「頭蓋骨絞め」の組み合わせで驚異的なアドバンテージを獲得し、最終的には「歯と爪」を双呪でキャストすることで勝利するデッキだ。
「ワイアウッドの共生虫」によってエルフのETB能力を何度も使いまわせるのが特長であり、「ヴィリジアンのシャーマン」を何度も使い回すことで親和に対しても有利に戦えるのが強みであった。
アメリカなど、海外で成果をあげたデッキではあったが、日本で大きく活躍することは無かった。
日本では、エルフが天敵とする「ゴブリンの名手」を要する「ゴブリン」が流行していたことが、大きな原因であるとも言われている。
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【エルフ&ネイル】
4 極楽鳥/Birds of Paradise
4 ぶどう棚/Vine Trellis
4 ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote
4 ウッド・エルフ/Wood Elves
4 ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman
2 ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald
1 ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus
3 トリスケリオン/Triskelion
2 映し身人形/Duplicant
1 クローサの拳カマール/Kamahl, Fist of Krosa
4 頭蓋骨絞め/Skullclamp
4 花盛りの春/Vernal Bloom
3 歯と爪/Tooth and Nail
15 森/Forest
1 山/Mountain
4 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
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歯と爪 (5)(緑)(緑)
ソーサリー
以下から1つを選ぶ。
・あなたのライブラリーからクリーチャー・カードを最大2枚まで探し、それらを公開し、あなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。
・あなたの手札からクリーチャー・カードを最大2枚まで戦場に出す。
双呪(2)(あなたが双呪コストを支払った場合、両方を選ぶ。)
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ヴィリジアンのシャーマン (2)(緑)
クリーチャー — エルフ(Elf) シャーマン(Shaman)
ヴィリジアンのシャーマンが戦場に出たとき、アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。
2/2
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ワイアウッドの共生虫 (緑)
クリーチャー — 昆虫(Insect)
あなたがコントロールするエルフ(Elf)を1体、オーナーの手札に戻す:クリーチャー1体を対象とし、それをアンタップする。この能力は、各ターンに1回のみ起動できる。
1/1
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ゴブリンの名手 (2)(赤)
クリーチャー — ゴブリン(Goblin)
ゴブリンの名手は、あなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
クリーチャー1体が死亡するたび、ゴブリンの名手をアンタップする。
(T):クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。ゴブリンの名手はそれに1点のダメージを与える。
1/1
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「極楽鳥本部大会」では、本戦が終わった後に「ブースタードラフト」を行うのが慣例であった。
私と同じ卓には、先日の日本選手権予選を突破した「アツヲ」が座っており、その後ろでは佐藤氏がピックを観察していた。
当時の日本選手権「本戦」は、スタンダードとブースタードラフトの複合ラウンドで行われていた。
ところが、アツヲはブースタードラフトの経験がほとんど無かったため、その練習をフォローするために佐藤氏がピックを観戦していたのだ。
そんな中で、佐藤氏はアツヲのピックを見る傍ら、2つ上家に座っていた私のピックも観察していた。
ミラディン環境のドラフトは、あばたさんの練習会でかなりの回数をこなしていたからか、私のピック順を見て興味をもってくれたようだった。
ちなみに、その後の試合ではプレイミスを連発して、あばたさんに怒られてしまったのだが・・・・。
後日、私は金沢での「ハチメンバー」の練習会に誘われたのであった。
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ハチメンバーの練習会は、太田さん、ツナギさん、佐藤さんの3名に、「ニワさん」と私を加えた、計5名で行われた。
ニワさんもハチメンバーの一人であり、実力者だ。後に「ジャッジ」として北陸のマジック界を長年牽引することになる人でもある。
ちなみに、ハチメンバーには「もう一人」いるのだが、私がその人物と出会うのは、少し先の話になる。
練習会は、ミラディン環境のブースタードラフトを中心に行い、試合は「総当たり戦」であった。
その頃の私は、あばたさんの練習会でも何度か全勝できるほどに上達していたので、北陸のトッププレイヤー達を相手取っても、多少は食い下がれる自信があった。
ところが結果は、
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1回目 1勝3敗
2回目 1勝3敗
3回目 0勝4敗
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見事なまでの惨敗だ。
その後も練習会には何度も参加したが、同じ戦績を繰り返した。
そればかりか、佐藤さんとのマッチアップでは、ただの一度も勝つことが出来なかった。
それほどまでに、私と彼らの実力はかけ離れていたのだ。
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私が「ハチメンバー」の練習会で黒星を積み上げている間、スタンダード環境には様々な変化があった。
日本選手権本戦では、藤田剛史氏が「赤単タッチ緑ゴブリン」で優勝した。
現代の有名プロプレイヤーである津村健志氏が頭角を現したのもこの大会だ。
彼は「電結親和」で準優勝を勝ち取っていた。
その2週間後には、5年ぶりとなる「スタンダードの禁止カード」が生まれた。
もちろん「頭蓋骨絞め」のことだ。
ところが「頭蓋骨絞め」が禁止された後も、「電結親和」の支配的な立場は変わらなかった。
なぜなら、ミラディンブロックの最終エキスパンション「フィフス・ドーン」に、『頭蓋囲い』が収録されたからだ。
ともかく、しばらくの間は「電結親和」と「親和を対策したデッキ」の二極化が続くのであった。
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頭蓋囲い (2)
アーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき+1/+0の修整を受ける。
(黒)(黒):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それに頭蓋囲いをつける。
装備(1)
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その年の夏、私はとうとう初めてのグランプリに参加することになった。
過去のグランプリは、「スタンダード」がフォーマットに採用されることは皆無であったのだが、この年に開催された「グランプリ名古屋2004」は、国内初の「スタンダード構築フォーマット」のグランプリだった。
グランプリ本戦で、私が使用したデッキは「ウルザトロン」だ。
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【赤緑ウルザトロン】
3 真面目な身代わり/Solemn Simulacrum
2 トリスケリオン/Triskelion
1 ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman
2 隔離するタイタン/Sundering Titan
1 白金の天使/Platinum Angel
1 レオニンの高僧/Leonin Abunas
1 ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus
4 森の占術/Sylvan Scrying
3 紅蓮地獄/Pyroclasm
3 刈り取りと種まき/Reap and Sow
4 歯と爪/Tooth and Nail
4 衝動のタリスマン/Talisman of Impulse
2 団結のタリスマン/Talisman of Unity
3 忘却石/Oblivion Stone
3 精神隷属器/Mindslaver
6 森/Forest
1 山/Mountain
4 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
4 ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant
4 ウルザの鉱山/Urza’s Mine
4 ウルザの塔/Urza’s Tower
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当時のメタゲームは「電結親和」が多数を占めており、次いで親和メタの「赤単タッチ緑ゴブリン」が主流であった。
一方、「ウルザトロン」は当初こそ少数であったが、徐々にその勢力を伸ばしてきていた。
親和やゴブリンを正確に扱うスキルが無い私にとって、「ウルザトロン」は正に求めていたデッキであった。
私が使用したウルザトロンは、メインボードにある2枚の「隔離するタイタン」が最大の特徴だ。
当時、「隔離するタイタン」はサイドボードに入れるのが一般的であった。
しかし、私とあばたさんの調整では、この2枚の「隔離するタイタン」が、「親和以外の全てのデッキに対するキラーカード」になることが分かっていた。
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隔離するタイタン (8)
アーティファクト クリーチャー — ゴーレム(Golem)
隔離するタイタンが戦場に出たか戦場を離れたとき、基本土地タイプ1種につきそのタイプの土地を1つ選ぶ。その後それらの土地を破壊する。
7/10
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残念ながら、グランプリ本戦では初日を抜けることが叶わなかったが、翌日はサイドイベントのスタンダード大会に出場し、6勝1敗で「2位」の成績を収めることができた。
本戦では振るわなかったが、デッキは期待通りの力を発揮してくれた。
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「グランプリ名古屋」の2ヶ月後、新たな大型エキスパンションが発売された。
「武士」や「明神」をはじめとする、日本をテーマにした斬新な世界観で話題となった、『神河物語』だ。
発売後、私は早速、ハチメンバーによるブースタードラフト練習会に参加したのだった。
そこで私は、ハチメンバーの「最後の一人」に出会うことになる。
現役の北陸ナンバーワンプレイヤー、山岸 裕一だ。
次回、【異次元のプレイスキル】に続く。
公認試合での対戦成績をもとに、プレイヤーごとの「持ち点(DCIポイント)」が増減する仕組みだ。
さらに、各都道府県ごとに「DCIポイントのランキング」を誰でも見ることが出来た。
当時の石川県ランキング1位は、松尾 悟郎(まつお ごろう)氏。
2001年の「日本選手権チャンピオン」だ。
http://mtgwiki.com/wiki/%E6%9D%BE%E5%B0%BE%E6%82%9F%E9%83%8E
まぎれもなく北陸の歴代最強プレイヤーだが、彼はすでに引退しており、再びトーナメントシーンに現れることは無かった。
つまり、DCIランキングの2位以下が、現役の石川県プレイヤーの格付けであった。
佐藤 大(さとう だい)は、石川県「DCIランキング3位」の強者だ。
もちろん、常に「ランキング = 実力」となるわけではないが、佐藤氏のプレイスキルはそのレーティングに見合ったものであった。
当時の全国ランキングでは40位であったため、その年の日本選手権の招待枠(全国75位以内)をすでに獲得していた。
ちなみに、すでにレーティング招待枠の安全圏にいるプレイヤーは、DCIポイントを減らさないために公認大会には出場しないケースが多かったのだが、この極楽鳥本部大会は「非公認大会」として開催されていたため、招待枠保持者でも参加しやすかった。
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「極楽鳥本部大会」のスタンダード本戦では、日本選手権予選でも使用した「電結親和」で挑んだが、結果は3-2であった。
最終戦では、「日本選手権 北陸予選」の時期には存在しなかったアーキタイプ、「エルフ&ネイル」に敗北を喫した。
オンスロートブロックの「エルフ」と「頭蓋骨絞め」の組み合わせで驚異的なアドバンテージを獲得し、最終的には「歯と爪」を双呪でキャストすることで勝利するデッキだ。
「ワイアウッドの共生虫」によってエルフのETB能力を何度も使いまわせるのが特長であり、「ヴィリジアンのシャーマン」を何度も使い回すことで親和に対しても有利に戦えるのが強みであった。
アメリカなど、海外で成果をあげたデッキではあったが、日本で大きく活躍することは無かった。
日本では、エルフが天敵とする「ゴブリンの名手」を要する「ゴブリン」が流行していたことが、大きな原因であるとも言われている。
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【エルフ&ネイル】
4 極楽鳥/Birds of Paradise
4 ぶどう棚/Vine Trellis
4 ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote
4 ウッド・エルフ/Wood Elves
4 ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman
2 ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald
1 ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus
3 トリスケリオン/Triskelion
2 映し身人形/Duplicant
1 クローサの拳カマール/Kamahl, Fist of Krosa
4 頭蓋骨絞め/Skullclamp
4 花盛りの春/Vernal Bloom
3 歯と爪/Tooth and Nail
15 森/Forest
1 山/Mountain
4 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
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歯と爪 (5)(緑)(緑)
ソーサリー
以下から1つを選ぶ。
・あなたのライブラリーからクリーチャー・カードを最大2枚まで探し、それらを公開し、あなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。
・あなたの手札からクリーチャー・カードを最大2枚まで戦場に出す。
双呪(2)(あなたが双呪コストを支払った場合、両方を選ぶ。)
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ヴィリジアンのシャーマン (2)(緑)
クリーチャー — エルフ(Elf) シャーマン(Shaman)
ヴィリジアンのシャーマンが戦場に出たとき、アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。
2/2
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ワイアウッドの共生虫 (緑)
クリーチャー — 昆虫(Insect)
あなたがコントロールするエルフ(Elf)を1体、オーナーの手札に戻す:クリーチャー1体を対象とし、それをアンタップする。この能力は、各ターンに1回のみ起動できる。
1/1
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ゴブリンの名手 (2)(赤)
クリーチャー — ゴブリン(Goblin)
ゴブリンの名手は、あなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
クリーチャー1体が死亡するたび、ゴブリンの名手をアンタップする。
(T):クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。ゴブリンの名手はそれに1点のダメージを与える。
1/1
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「極楽鳥本部大会」では、本戦が終わった後に「ブースタードラフト」を行うのが慣例であった。
私と同じ卓には、先日の日本選手権予選を突破した「アツヲ」が座っており、その後ろでは佐藤氏がピックを観察していた。
当時の日本選手権「本戦」は、スタンダードとブースタードラフトの複合ラウンドで行われていた。
ところが、アツヲはブースタードラフトの経験がほとんど無かったため、その練習をフォローするために佐藤氏がピックを観戦していたのだ。
そんな中で、佐藤氏はアツヲのピックを見る傍ら、2つ上家に座っていた私のピックも観察していた。
ミラディン環境のドラフトは、あばたさんの練習会でかなりの回数をこなしていたからか、私のピック順を見て興味をもってくれたようだった。
ちなみに、その後の試合ではプレイミスを連発して、あばたさんに怒られてしまったのだが・・・・。
後日、私は金沢での「ハチメンバー」の練習会に誘われたのであった。
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ハチメンバーの練習会は、太田さん、ツナギさん、佐藤さんの3名に、「ニワさん」と私を加えた、計5名で行われた。
ニワさんもハチメンバーの一人であり、実力者だ。後に「ジャッジ」として北陸のマジック界を長年牽引することになる人でもある。
ちなみに、ハチメンバーには「もう一人」いるのだが、私がその人物と出会うのは、少し先の話になる。
練習会は、ミラディン環境のブースタードラフトを中心に行い、試合は「総当たり戦」であった。
その頃の私は、あばたさんの練習会でも何度か全勝できるほどに上達していたので、北陸のトッププレイヤー達を相手取っても、多少は食い下がれる自信があった。
ところが結果は、
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1回目 1勝3敗
2回目 1勝3敗
3回目 0勝4敗
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見事なまでの惨敗だ。
その後も練習会には何度も参加したが、同じ戦績を繰り返した。
そればかりか、佐藤さんとのマッチアップでは、ただの一度も勝つことが出来なかった。
それほどまでに、私と彼らの実力はかけ離れていたのだ。
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私が「ハチメンバー」の練習会で黒星を積み上げている間、スタンダード環境には様々な変化があった。
日本選手権本戦では、藤田剛史氏が「赤単タッチ緑ゴブリン」で優勝した。
現代の有名プロプレイヤーである津村健志氏が頭角を現したのもこの大会だ。
彼は「電結親和」で準優勝を勝ち取っていた。
その2週間後には、5年ぶりとなる「スタンダードの禁止カード」が生まれた。
もちろん「頭蓋骨絞め」のことだ。
ところが「頭蓋骨絞め」が禁止された後も、「電結親和」の支配的な立場は変わらなかった。
なぜなら、ミラディンブロックの最終エキスパンション「フィフス・ドーン」に、『頭蓋囲い』が収録されたからだ。
ともかく、しばらくの間は「電結親和」と「親和を対策したデッキ」の二極化が続くのであった。
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頭蓋囲い (2)
アーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき+1/+0の修整を受ける。
(黒)(黒):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それに頭蓋囲いをつける。
装備(1)
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その年の夏、私はとうとう初めてのグランプリに参加することになった。
過去のグランプリは、「スタンダード」がフォーマットに採用されることは皆無であったのだが、この年に開催された「グランプリ名古屋2004」は、国内初の「スタンダード構築フォーマット」のグランプリだった。
グランプリ本戦で、私が使用したデッキは「ウルザトロン」だ。
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【赤緑ウルザトロン】
3 真面目な身代わり/Solemn Simulacrum
2 トリスケリオン/Triskelion
1 ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman
2 隔離するタイタン/Sundering Titan
1 白金の天使/Platinum Angel
1 レオニンの高僧/Leonin Abunas
1 ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus
4 森の占術/Sylvan Scrying
3 紅蓮地獄/Pyroclasm
3 刈り取りと種まき/Reap and Sow
4 歯と爪/Tooth and Nail
4 衝動のタリスマン/Talisman of Impulse
2 団結のタリスマン/Talisman of Unity
3 忘却石/Oblivion Stone
3 精神隷属器/Mindslaver
6 森/Forest
1 山/Mountain
4 樹木茂る山麓/Wooded Foothills
4 ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant
4 ウルザの鉱山/Urza’s Mine
4 ウルザの塔/Urza’s Tower
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当時のメタゲームは「電結親和」が多数を占めており、次いで親和メタの「赤単タッチ緑ゴブリン」が主流であった。
一方、「ウルザトロン」は当初こそ少数であったが、徐々にその勢力を伸ばしてきていた。
親和やゴブリンを正確に扱うスキルが無い私にとって、「ウルザトロン」は正に求めていたデッキであった。
私が使用したウルザトロンは、メインボードにある2枚の「隔離するタイタン」が最大の特徴だ。
当時、「隔離するタイタン」はサイドボードに入れるのが一般的であった。
しかし、私とあばたさんの調整では、この2枚の「隔離するタイタン」が、「親和以外の全てのデッキに対するキラーカード」になることが分かっていた。
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隔離するタイタン (8)
アーティファクト クリーチャー — ゴーレム(Golem)
隔離するタイタンが戦場に出たか戦場を離れたとき、基本土地タイプ1種につきそのタイプの土地を1つ選ぶ。その後それらの土地を破壊する。
7/10
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残念ながら、グランプリ本戦では初日を抜けることが叶わなかったが、翌日はサイドイベントのスタンダード大会に出場し、6勝1敗で「2位」の成績を収めることができた。
本戦では振るわなかったが、デッキは期待通りの力を発揮してくれた。
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「グランプリ名古屋」の2ヶ月後、新たな大型エキスパンションが発売された。
「武士」や「明神」をはじめとする、日本をテーマにした斬新な世界観で話題となった、『神河物語』だ。
発売後、私は早速、ハチメンバーによるブースタードラフト練習会に参加したのだった。
そこで私は、ハチメンバーの「最後の一人」に出会うことになる。
現役の北陸ナンバーワンプレイヤー、山岸 裕一だ。
次回、【異次元のプレイスキル】に続く。
コメント
エルフ&ネイル、このデッキの話題が出てきて驚きました。
というのも、私、その昔2ちゃんねるで翻訳活動をやっていまして、その訳した成果物の一つがジェイ・シュナイダーさんのエルフ&ネイルの記事(Designers’ Deck Analysis: Elf & Nail)だったんですよ。エルフ&ネイルってデッキ、日本じゃあんまり流行らなかった認識なんですが、少しはメタに影響を与えてたんですね。なんだか報われた気分です。
マジック回顧録の続き、とても楽しみにしております!
ということは、あの時の対戦相手の方も、きっとその翻訳記事を読まれていたんでしょうね。
おかげさまでボッコボコにされました!!(笑)
そんなすごい方に読まれているとは・・・・なんだか励みになります。